【NHK 100分de名著 ラッセル『幸福論』】“被害妄想”の克服方法と成果を出し続ける人の思考の共通点。
NHK「100分de名著」。今回は、イギリスの哲学者 ラッセルの「幸福論」✨
第2回「思考をコントロールせよ」 は、自分の思わぬところを見抜かれているようで恥ずかしいやら共感するやらで、胸に刺さりました。
▲講演前、ひどいプレッシャーでラッセル自身もこんな考えに至っていた、と。共感…!
人が幸せになるためには、まず「不幸の原因」を取り除かないといけないとラッセルは言います。
でも、自分の不幸に着目するというのはあまりしたくないものですよね。
自分の心で覆い隠して、じっと耐えるか、
逆手にとって攻撃に使うかのどちらかが精一杯だと思います。
しかし、ラッセルは幼少期の辛い経験から
常に自分の不幸と対峙し、
「なんでだろう」と、
原因を徹底的に突き詰めたおかげでここまで具体的に“不幸の分解”ができ、克服方法まで導き出せたのだと思います。
ラッセルの考える「不幸の原因」は、
① バイロン風の不幸(悲観主義)
② 競争
③ 退屈と興奮
④ 疲れ
⑤ 妬み
⑥ 罪の意識
⑦ 被害妄想
⑧ 世評に対するおびえ
の8つに分けられ、
その一つ一つの解説が
「確かに…!」
「そうそう!」と共感できるものばかりでした。
さらに、ここからそれぞれに克服方法が伝授されました。
特に、不幸の原因の一つである
『被害妄想』の“克服方法”の3番目、
「あなたが自分自身に寄せているほどの大きな興味を、ほかの人も寄せてくれるものと期待してはならない。」
というあたりは特に共感しました。
以前、私のお仕事の師匠にこんなことを質問をした事がありました。
「大きな仕事とか、たくさんの人に教える時など
プレッシャーを感じる事はないんですか?」
すると師匠は、
「うん、そうだね。良いも悪いも、僕はあまり人に“期待”をしていないんだよね。
僕一人でできることなんて限りがあるし、たくさんの人の言葉の中で一つのきっかけであればいいんじゃないかな。」
その時はいつもの様に『なるほどなぁ。』と思うと同時に、
『私もあまり期待されていないのかぁ。』と勝手に凹んでいました…(笑)
しかし、今更ながら、ラッセルの言葉と照らし合わせてみると、師匠は、自分自身や相手への過剰な“期待”をしないことで、
・教えたのに理解できていない
・良くしたのに裏切られた
という様な、「被害妄想」という「不幸」を自分で作り出すことなく、
求められていることを淡々とこなすことで、今も成果を出し続けていらっしゃるのではと思いました。
企業の人材教育の現場でも、子育てでも、
「相手のため」という“固定観念”を外し、自分にも相手にも「不幸の原因」を作らない思考をコントロールできると、人育てにおいても大きな成果に繋がるのではと思います。
自分を幸せにするのも、不幸にするのも、
「最大の幸福の答え」を “自ら求めるかどうか” にかかっている。
日頃、師匠に教わっている事とリンクして、
大変勉強になる教えの一つになりました。